8 むすび
 明治三八年九月一〇日に城沼でムジナモが発見されて以来七一年の年月が過ぎ去った。この間大正九年七月国の天然記念物に指定されたが、保護らしい保護もなされないまま今日に至ってしまった。その推移については本文で述べた通りである。しかしこの間にあって、元館林中学校教諭高野貞助氏は、ムジナモ保護の重要性を力説され、特に中野沼周辺のムジナモについては保護を強調されたのである。
 筆者も消失をうれい、文化財としてほこるべき国指定ムジナモを再び郷土によみがいさせるべく、調査研究に着手し、しかもこの調査研究のために文部省より昭和三八年、三九年の二か年にわたり、科学研究費の交付を受けた。
 今日になってみれば、ときすでにおそしの感であるが、郷土の関係各位の方々がこの小稿を一読され、文化財としてのムジナモの保護について深い関心がよせられるならば、筆者の喜びとするところである。
 

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