3月〜4月ごろ、水中に沈んでいたムジナモの冬芽は水面に浮かび上がり成長をはじめます。この頃から6月初め頃までは一緒に植わっているアシやガマなどの植物の成長も鈍く、また浮き草系も成長をはじめていないので、水質が悪くなりやすい時期です。多めの足し水をしたり、水換えを行うなど良好な水質の維持を心がけてください。抽水植物が芽を出し、浮き草が生長し始める頃になると水質は安定しやすいようです。

 夏場はムジナモはどんどんと分岐を繰り返しながら成長します。アシやガマなどもどんどん生長するので、増えすぎた茎をカットするなどして整理して下さい。浮き草系も爆殖しますので、不要な物は取り去って、ムジナモの生育する水面を確保するようにします。
 この時期は水が減るのも早いので、毎日水鉢の上からジョウロで潅水をします。鉢の縁から水があふれるくらいにいっぱいかけて下さい。
 日光が好きなムジナモですが、真夏の直射日光はかなり強く、容器の置き場所によっては水温が上がりすぎてしまうことがあります。ムジナモの生育にとって最適水温は25〜28℃。33℃までは許容範囲だそうです。それ以上になってしまうようなら遮光するなどして調整するようにしてください。

 秋は比較的管理が楽な時期かもしれません。夏と同じように、出来れば毎日潅水してください。浮き草や抽水植物が成長を止める頃になると再び水質悪化が起こりやすくなります。水の状態やムジナモの様子などをよく観察して、状況に応じて水換えを行うなどして水質が悪くならないように気をつけます。
 10月頃になると、ムジナモは芽先を固く丸めた冬芽をつくり始めます。この時期に調子を崩すと冬芽が貧弱な物になってしまいますので、調子を崩さないように気をつけ、充実した冬芽を形成させるようにします。


 冬場、ムジナモは冬芽を水中に沈めて越冬します。水面に氷が張っても大丈夫です。
 冬はついつい観察がおろそかになり、足し水を忘れたりしがちです。減った分の水はきちんと足しておきましょう。冬の間でも地域や置き場所によっては水中でアオミドロが繁殖することがあります。冬芽がアオミドロに巻き付かれたりすると春に浮上できないばかりか最悪冬芽が枯れてしまうこともあるので十分に気をつけてください。