ここでは現在私が行っている栽培方法を紹介します。 |
栽培容器 栽培容器は水鉢、水槽、衣装ケース等水が溜められるものなら何でも利用できます。材質も陶器製、プラスチック製、ガラス製いろいろです。ただしやはり陶器製のものが外気の温度変化を受けにくく見た目にも良いように思います。 大きさは水質の安定を考えてやはり縦横30p以上は欲しいところです。深さも底に土を入れることを考えて20p以上あった方が良いと思います。 水槽など側面が透明な物は、横からの光で藻が生えやすくなりますので、側面をプラ板などで覆って光が入らなくするなどの工夫が必要です。 |
|||
陶器製水鉢(丸型) | 陶器製水鉢(角型) | ||
プラ製水鉢 | 水槽 |
用土 用土は田土、赤玉土、黒土などいろいろな土が利用できます。ただし田土などは肥料分が多く含まれているのでアオミドロの発生を招くことがあるので注意が必要です。弱酸性〜中性のなるべく肥料分が少ない土を使うようにしてください。また石灰などを含んだアルカリ性の土も避けてください。 また、最近では水生植物用の用土などが各種市販されています。それらを使用するのも良いでしょう。ただ、それらの商品の中には肥料をかなり配合した物も少なくありません。肥料が配合された物はアオミドロなどの発生源となってしまいますので、肥料を配合していない物を選ぶようにしてください。 |
||
ムジナモのお供 容器の中には抽水性の植物(アシ、ガマ、マコモ、フトイなど)を植え込みます。これらの植物は窒素やリンなどの余分な栄養分を吸収し、また夏場に適度な日陰を作り出すのに役立ちます。茂りすぎたら適当にトリミングしてください。特にガマなどは水中にまで根が伸び出てきますので、定期的にカットしないと、水中がガマの根だらけになってしまいます。 アオミドロを防ぐ意味でもサンショウモなどの浮き草を浮かべることをお勧めします。浮き草類は繁殖速度が速く、それだけ効率的に水中の窒素分などを取り込みます。夏場などはどんどん増えていきますが、増えすぎるとムジナモが浮かぶ水面が狭くなってきますので、適当量を残して取り去ります。 ホテイアオイは窒素固定能力は高いのですが、大きさがありますので、容器が大きい場合は良いのですが、小さい場合はすぐ手狭になってしまいます。小さめの容器の場合はやはり小さめの浮き草類を利用する方が良いように思います。 ボタン浮き草は古くなった葉が溶けるように枯れてきます。せっかく吸収固定された窒素などが再び水中に溶け出してしまうのであまりお勧めできない気がします。個人的には同じ日本産のサンショウモなどが大きさのバランスも良くお勧めです。 |
コガマ |
アシ |
ポンテデリア |
サンショウモ |
|
水質調整 ムジナモは弱酸性の水を好むと言われていますが、PHそのものに関してはPH4.0〜7.8の水で問題なく生育するそうです。ただし、ムジナモの生育にはフミン酸やタンニン酸などの存在が重要な要素となっているので、結果的に水は弱酸性を示すことになります。つまり単にPHを弱酸性の水にするのではなくて、フミン酸やタンニン酸が豊富な水作りをすることが重要です。 昔から言われている方法が稲ワラを適当な長さにカットして沈める方法です。ただ、都会などでは稲ワラを入手するのがなかなか困難な状況になっています。最近ではペットのウサギ用に稲ワラが売られていますので、それを購入するという手もあります。ただし稲ワラはどうもアオミドロの発生を招いてしまうと言う意見もあるようです。詳しい原因はわかりませんが、もし稲ワラを使用していてアオミドロが発生するようなら、他の方法に切り替えた方が良いのかもしれません。 フミン酸やタンニン酸の豊富な水という事は、いわゆるアクアの世界で言う「ブラックウォーター」と言う物のことです。「ブラックウォーター」を簡単に作るにはピートモスをストッキングに詰めて水に入れれば数日で水が茶色に染まりブラックウォーターになります。ここで気をつけて欲しいのが、ピートモスは必ず成分無調整の物を使用すると言うことです。市販されているピートモスの中には石灰などを混ぜて、PHを調整した物があります。購入の際には無調整の物であることを確かめてください。アクア用に売られているピートも同様に使用することが出来ます。ただし値段は高いですが・・・。 この他にクヌギやコナラなどの落葉樹の落ち葉も水に沈めるとブラックウォーターを作ることが出来ます。近くで枯れ葉集めが出来るようなら冬場に枯葉を集めて使用するのもいいかもしれません。 海外ではスゲの葉を乾燥させたものが良く使用されているようです。日本では乾燥スゲは売っていませんので、自分でスゲの葉を取ってきて乾燥させて使うのもいいかもしれません(ただし私はスゲは使用したことがないので効果の程は確認しておりません)。 これらの水質調整用の素材は状況を見て、悪くなる前に新しいものと交換してください。 |
稲ワラ |
枯葉 |
無調整ピートモス |
ブラックピート |
|
乾燥スゲ |
||
では栽培容器をセットしてみましょう |