3 タタラカンガレイ
 タタラカンガレイは、昭和六年に関本平八氏(栃木県在住・植物研究家)によって、多々良沼で発見採集された植物である。その後の筆者の調査により、昭和三七年一〇月二〇日には、多々良沼の南東から南にかけての湿地に四〜五株、昭和三八年夏中野沼埋立地の湿地に、昭和三九年九月二七日には、埼玉県三田ヶ谷の湿地に昭和四九年八月には、多々良沼の北の干拓地内の湿地に多産していることが判明した。なお邑楽町誌作成のため町内の植物調査中、昭和五〇年七月二六日に旧中野沼埋立地内に多産していることを確認した。郡内では、板倉町に産していることを松沢篤郎氏が報じている。しかし、現在までの筆者の調査では、旧中野沼埋立地が多産していることと生育もよく、自然環境も良好であることから、今後郷土に残せる唯一の場所であると考える。全国的にも産地が限られている貴重なタタラカンガレイをいつまでも邑楽町に残したいものである。
  
 終わりにこれまでに種々ご指導賜った前館林市立図書館長川島維知氏、ならびにムジナモに関する古文書の解読についてご指導を賜った館林市文化財調査委員贄田太二郎先生に厚くお礼申し上げます。
 また貴重なるムジナモの写真は、この道の権威者である清水清氏(東京在住)により、筆者に恵送されたものを使用させていただきました。ここに厚くお礼申し上げます。
 

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